5.契約の流れ

 もっとも適切と思えるサーバを見つけたらいよいよ契約だ。
 契約でもっとも気になるのは料金の支払い方法である。国内サーバを利用した経験のある人ならだいたい、

  • クレジット決済
  • コンビニ決済
  • 銀行振込

 の三つが思い浮かぶだろうが、なにしろ相手は海外だからこの中の二つ、コンビニ決済と銀行振込は使えない。残るのはクレジットカードである。ダイレクトにクレジットカードを使わずに済むシステムは「PayPal」や「Googleチェックアウト(Googleのオンライン決済サービス。どこでも見るPayPalとは違って、たまに見るぐらいの普及度。これしか支払い手段がないというところは今のところ見たことがない。)」などがあるが、なにを選ぼうともクレジットカード所持という前提を否定できない。つまりクレジットカード(あるいはクレジットカードの機能を有するデビットカード(VISAデビットカード。国内ではスルガ銀行ジャパンネット銀行楽天銀行で発行されているはず。高校生が海外サーバを使いたいということであればなにはともあれこのカードを取得すること。))を使えないと海外サーバも使えないということになる。
 なので「海外サーバを使うことはもう決定!」となっている場合、所持していない人はカード会社と契約することを前提にして以降を読んでほしい。

サイト紹介:PayPal

PayPal

 オンライン決済サービスを展開しているアメリカの企業。ここにクレジットカードの情報を登録し、決済時にここを通すことであちこちの企業にカード情報を渡さずに済むという利点がある。海外、特にアメリカの有料サーバではPayPalを使えないところは珍しいというぐらい浸透している。レンタルした海外サーバで物を売るにあたってPayPalを通じてお金を受け取るという使い方もできる。

PayPalに登録してみる

海外サーバ申し込みの具体的な手順

 さて、ここまで来るとあとは実際にサーバと契約するだけになる。初めて海外サーバと契約する人なら一番身構えてしまうところだろう。日本語のサポートが一切なくて大丈夫なんだろうか、間違えたらどうしよう、と。
 私も、初めて契約したときは初めて見る画面の連続にどきどきしたが、慣れてくると、どこの会社でもほぼ同じパターンで契約を行うということに気づき、それからだいぶ気が楽になった。あるところでは身分証明書のスキャンを要求され、あるところでは申し込み後に電話がかかってきて質問に答えなければならない、なんていうことだと大変だが、会社によって違うことを要求されるということは私の経験だと皆無だ。なので、これから記す申し込みの手順さえ頭に入れておけば、どこの海外ホスティングサービス会社と契約するにしても戸惑うことは多分ないだろう。

1.独自ドメインの管理をどうするかの設定

 まず独自ドメインの扱いをどうするか決めなければいけない。これが申し込みの冒頭にくるのは鉄板である。

 並び順はどこもだいたい同じで、上から、

  1. ドメインを新規に当社から購入して、それを使いますか?
  2. あなたが所有しているドメインを当社に移管して、それを使いますか?
  3. あなた自身がDNSを設定して、あなたが所有しているドメインで当社のサーバを使うようにしますか?

 こんな風になっている。もっとも簡単で私もそうしているのが3、契約する会社のCEOがアメリカ留学中に知り合った友人のデビッドで、現在ドメインを持っていないなら1、時間が有り余っていてチャレンジ精神旺盛、AVでは男優が女優に言葉責めされるものが好きでマゾ気質を自覚しているというなら2だろう。

 基本的に海外サーバは独自ドメインで運用する必要がある。国内と海外での大きな違いの一つだ。国内のサーバは大抵、自分のところでドメインを持っており、契約者が独自ドメインを所有していなかったとしても、サブドメインを与えることでサイトを運営できるようにしている。流れは以下のようになる。

ホスティングサービス会社
「当社が所有している example.com,example.net,example.org,example.jp の中から好きなドメインを選び、サブドメインを作っていただいて結構です。勿論、それは無料で使うことができますよ」

契約者
「それなら独自ドメインがなくても、みんな、自分のサイトにアクセスできますね。この中だったら example.com がいいなあ、で、exampleの前を自分で決めちゃっていいわけですね、じゃあ hoge.example.com にします」

 この場合、http://hoge.example.com にアクセスすれば契約者のサイトにアクセスできるということになる。端的にいうなら、国内サーバには会社が所有しているドメインの、サブドメインが無料で使用できる権利がサービスで付いているわけである。
 ところが海外サーバにはこのサービスはほぼない。ほぼと書いたのはまれに存在しているからだが、探すのは結構大変だ。月額10ドルを超えるところだと無料でドメインを一つ付けてくれる(契約者が自分の希望する文字列の独自ドメインを一つ持てる)かもしれないが、5ドル程度のサーバだと独自ドメインを所有、もしくはこれから取得予定でないとまともに使えないということになる。したがって、格安の海外サーバと契約する際はあらかじめ国内のドメイン業者から独自ドメインを購入(正確に書くなら使用権をレンタル)しておいたほうがよい。
 勿論、ドメインをくれるところならそのドメインを使ってもいいわけだが、その際は、

  • ドメインの所有者は誰か?(会社なのか契約者なのか)
  • サーバのレンタル契約を解除した場合、ドメインはどうなるのか?

 この二点は必ず確認しておこう。
 正直な話、よく言われる、ドメインとサーバを同じ会社から買うなという意見には私も賛成で、会社がなくなったとき、あるいは会社といい関係が築けなくなったときに陥る状況を考えると、リスク分散という意味で無料でドメインをあげるよという話には乗らない方が長期的に見ると安定した運営ができると思う。

国内のドメイン取得業者

 ドメインも海外の業者で取得することは可能だが、サーバと違って価格がほとんど変わらず、できることも同じなので国内の業者で取得する方がよい。ここでいくつか紹介しよう。

バリュードメイン

バリュードメイン

 国内で一番契約数が多いのではないかと思われるリセラー(ドメイン業者にはレジストラとリセラーの二つが存在しており、保険会社でたとえると前者は本店、後者は代理店)。契約すると広告付きではあるがサーバの利用権が漏れなく付いてくる。私のドメイン(kudok.com)はここに預けている。XREAと同じ会社のせいか難解な部分もあるが、利用者が多い分、ノウハウはネット中に存在している。

主なドメインの料金ほか(取り扱いドメイン一覧表はこちらから)
.com .net .org 汎用JP 属性型JP 登録情報代理公開
\980~\990 \980~\990 \980~\990 \2,990 \5,490 可(無料)

お名前.com

お名前.com

 老舗のレジストラ。以前はリセラー業者と比べると圧倒的に料金が高く、企業などの金持ちが使う業者だと思っていたが、最近、値下げキャンペーンを年中行って攻勢をかけている。また、扱うドメインの種類もだいぶ増えた。タイミングが合えば .com が一年限定だが380円ぐらいで手に入るかもしれない。

主なドメインの料金ほか※(取り扱いドメイン一覧表はこちらから)
.com .net .org 汎用JP 属性型JP 登録情報代理公開
\920 \920 \920 \2,980 \3,960 可(無料)

※お名前.comでは様々な価格が入り乱れているが、もっとも適用される可能性が高いものに統一した。

ムームードメイン

ムームードメイン

 ロリポップを展開しているpaperboy&co.のサービス。リセラー。バリュードメインよりずっとユーザーフレンドリーだがネームサーバ関連が弱いので、ちょっと込み入ったこと、たとえば、サイト運営は海外サーバで、メール運用はGoogle Appsで、といったことをするには向いていない。

主なドメインの料金ほか(取り扱いドメイン一覧表はこちらから)
.com .net .org 汎用JP 属性型JP 登録情報代理公開
\950 \950 \950 \2,980 なし 可(無料)

livedoor ドメイン

livedoor ドメイン

 多分新しめのレジストラ。ここで取り上げた業者の中では扱っているドメインの種類がもっとも少ない。使ったことがないのでよくわからないのだが、某有名な人が去ってからのライブドアは技術力を活かして一つでいいから売りを作る、みたいなテーマでサービスを展開しているように見えるので、ここにもオンリーワンのなにかがあるかもしれない。

主なドメインの料金ほか(取り扱いドメイン一覧表はこちらから)
.com .net .org 汎用JP 属性型JP 登録情報代理公開
\945 \945 \945 \3,280 なし 可(無料)

21-domain.com

21-domain.com

 地味だが実は老舗のレジストラ。属性型JPドメインで、 .gr.jp を扱っているのは珍しいんじゃないかと思う。バリュードメインと似た匂いがあり、どちらかというと突き放し気味のサービスなので、バリュードメインでの契約が難しくてよくわからないという人はここも避けた方が無難。

主なドメインの料金ほか(取り扱いドメイン一覧表はこちらから)
.com .net .org 汎用JP 属性型JP 登録情報代理公開
\1,000 \1,000 \1,000 \2,980 \5,590~\5,900 可(汎用JPでは無料、gTLDでは有料)

Gonbei Domain

Gonbei Domain

 インターリンクがやっているレジストラ。扱っているドメインの種類が国内では突き抜けているが料金も突き抜けている。100年ドメインという、100年分の料金を前払いすれば100年間、ドメインの更新を自動的にやってくれるという国内唯一のサービスがある。基本的に企業向けであり、個人であればどこの国のドメインでもいいから欲しい文字列がある、あるいは、ドメインなんて興味がない、お金は出すからあとはよきに計らえという人向き。

主なドメインの料金ほか(取り扱いドメイン一覧表はこちらから)
.com .net .org 汎用JP 属性型JP 登録情報代理公開
\2,646 \2,646 \2,646 \5,008 \21,000 可(有料)

 ここでは、独自ドメインをあらかじめ持っており、ドメイン業者のDNSを設定して海外サーバと紐付けするという設定で話を進めていくことにする。

2.契約期間の設定

 次は契約期間をどれぐらいにするかという設定である。先に書いたように、一回の契約期間を長くすればするほど基本的に月あたりの料金は安くなる。ただ、これも繰り返しになるが、会社がなくなってしまう等のトラブルも想定しておかなければならない。また、共有サーバはほぼ必ずと言っていいほど、契約直後は軽快に動くものの、一年を過ぎると必ずと言っていいほどエラーが頻発するといった問題が増えてくる。その際、サポートに申し出れば移動させてくれるのか。「致命的なトラブルではない」と突っぱねられれば自腹を切って別サーバに移動するしかなく、残りの期間分の料金は無駄になる。新しいサーバに移動させてくれるにせよ、その要求を英語で書いて何回かやりとりしなければならない。個人的な考えだが、レンタルサーバの適切な契約期間は長くて一年までだと思う。

 契約期間のサイクルだが、三カ月で契約すれば三カ月ごとに料金を支払うことになる。三カ月使ってみてよかったので、契約サイクルを一年間隔に変更したいというのも可能なはずだが、もし、最初の契約の際にクーポンを使っていた場合、割り引きが無効になると思う(三カ月契約のときに20%引きのクーポンを使っていて、そのクーポンが一年契約でも引き継がれることは普通ない)。なので、サイクルを変更する場合は相応の意味がある場合だけにしておいたほうがよい。

 また、必ずここで設定するとは限らないが、複数の場所にサーバを置いている会社の場合、どこのサーバを使いたいか選ばせてくれる。
 通信速度は距離に比例するので、日本在住であれば、当然、日本よりも近い場所にあるサーバの方がよい。アメリカとヨーロッパであればアメリカ、アメリカの西海岸(たとえばロサンゼルス、シアトルなど)と中南部(たとえばダラス)であれば西海岸ということになる。

3.クーポンコードの入力

 続いてクーポンコード(プロモーションコード)の入力だが、ここでは気をつけるべき点が二つある。まず一つ目は「使おうとしているコードが有効かどうか確認する」ということ。契約しようとしているサーバの公式ブログで「今月はこのコードで20%OFFになるよ」と書かれてあったものを使うなら問題ないと思うが、RetailMeNotなどで拾ってきたコードの場合、有効期限が切れている可能性がある。普通、コードを入力する画面に、そのコードが有効かどうかをチェックするボタンがあるはずなのでしっかり押しておこう。もし有効であれば、割り引きされた料金が、無効であれば「このコードは使えないよ」といったメッセージと共に定価が表示される。

 二つ目の注意点は会社によってあらかじめコードが入力されている場合があるということ。たとえば「20OFF」などというコードが入っていて、そのまま契約すると20%OFFになるが、実際は30%OFFのコードもしっかり存在していて、入力すれば使えたりする。今まで相当数の海外サーバを見てきたが、彼らの宣伝方法から考えるに契約者がもっとも有利な条件になるコードがあらかじめ入力されているとは到底思えないので、もっといい条件のコードがないか探しておこう。

4.個人情報の入力と支払い方法の選択

 海外の会社と契約するのは初めてという人がもっとも不安に思うのが住所や名前などの個人情報の入力だと思うが、サーバの場合、海外から郵便物が送られてくるということはないので、あまり深刻に考えなくてもよい。

 海外向けに住所を書くときは日本の書き方とは逆にするので、仮に国会議事堂(東京都千代田区永田町1-7-1)に住んでいたとして、上の画像の入力フォームに住所を記入する場合、Countryの項目をJAPANに切り替えて、

Address 1 1-7-1
Address 2 nagata-cho
City Chiyoda-ku
State/Region Tokyo

 こんな感じでいいんじゃないかなあと思う。

5.支払い

 最後に支払いについてだが、クレジットカード払いを選択したときは、入力フォームが表示されるので国内のオンラインショップで買うようにカード番号と名前、セキュリティコードを入力してボタンを押すだけ。PayPalを選択したときはおそらくPayPalのアイコンが表示され、それをクリックするとPayPalのサイトに飛び、ログインするとあとはボタンをクリックするだけで完了みたいな画面が表示されるはず。どちらにしてもシンプルで迷う部分は少ない。支払い画面へのリンクはメールでも届けられると思うので、操作トラブルなどでブラウザを閉じてしまっても大丈夫だ思う。
 支払いが済むと、大抵、受領書をPDF化したファイルと共に「お支払いありがとうございました」的なメールが届く。時間はまちまちだが、それからしばらくしてサーバのアカウント、パスワードなどが記されたメールが届くだろう。

 契約更新の際は「もうすぐ契約が切れるよ、引き続き使うときはお金払ってね」というメールが届き、上記の手順を再度行うことで更新される。

 注意すべき点だが、お金を払わなければそのまま契約終了なのか、それとも自動更新されてしまうのか確認しておくこと。国内のサーバはだいたいお金を払わなければデータを消されてはいさようならだが、海外は「こっちで更新しておいたから金払って」と言ってくるところもある。なので、支払わなければ契約終了の場合でも更新するつもりがないのなら、念のために契約が切れる前にしっかり解約処理をしておいた方がいいだろう。

6.サーバを実際に使ってみようへ

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    目次

    1. 海外共有サーバの利点
    2. 海外共有サーバの探し方
    3. サーバのスペックをチェックする
    4. 料金体系を把握しよう
    5. 契約の流れ
    6. 海外共有サーバを使ってみよう
      • cPanelの使い方
      • cPanelでサイト開設にあたっての重要項目を設定する
      • 日本語の文字化けを防ぐMySQLの設定
      • SSHでファイルをアップロードする
      • 独自SSLにトライしてみる
    7. トラブル時の対処方法
      • ライブチャットでサポートを受ける
      • チケットシステムの使い方
      • 要望をうまく伝えるための英訳のコツ
    8. 最後に
    9. 付録:私が使用を検討したことのあるサーバリスト

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